最近よくお問い合わせ頂く事にお答えいたします。
「声楽の体験レッスンって何をするんでしょうか?」
声楽の体験レッスン…
確かに想像がつかないかもしれませんね。
カラオケのように歌って何かをする?
お問い合わせメールの際に
どういった目的なのか経験の有無や
現在抱えている問題などをお聞きしています。
その上で体験レッスンの際に
現在感じていらっしゃる問題などについてお伺いいたします。
たとえば、高音が出ない、のどが苦しい、声量がない
歌詞がうまく発音できない、音程が取れない…等。
そしてレッスンの目的が趣味で歌を楽しみたい方と
音大や宝塚などの受験を志す方では変わって来ます。
音大のアカデミックな音楽と宝塚や四季などではニーズが違います。
期限がある事ですし相手が求める音を作って行かないといけません。
どこに行きたいのか目的地がわからないと
そこに向かうための道を見つける事ができませんので。
特にミュージカルや宝塚を志す方には舞踊する身体と歌う身体の
ラインを摺り合わせて行く方法を考えて頂きます。
何せ「歌いながら踊る、踊りながら歌う」のがミュージカルですから。
そしてそれができる素材の方だけが選ばれるのですから。
オペラも今は演出家がモノを言う世界ですので
動けないとどこのオーディションも通りません。
所作に繋がる歌って踊れる身体は今や基本です。
お持ち頂いた一番歌いやすい歌い慣れた声の出しやすい1曲を
自由に歌って頂いてから声の診断をさせて頂きます。
ご自分で感じていらっしゃる声の問題点の
原因を探る作業を行います。
その原因を取り除くとどのような効果が得られるのか
ご自分の声の行く先を考えて頂く事になります。
赤ちゃんの時に持っていた、本来の発声するためのラインからズレてしまったので
望む声が出なくなっている事が殆どですので
どこがズレてしまったのかをしっかり自覚して頂いて
そのズレが少しでも修正されるとどんな声になるのか
どんな感じを身体が受けるのかを実感して頂きます。
主にこのズレの修正で高音に関するお悩みが解消されます。
腹式呼吸と胸式呼吸との違い
(腹式呼吸と世間で信じられている事が実は大きな間違いで
本来の腹式呼吸がどんなものか実感して頂きます。)
歌は呼吸が99.9%であるという事が理解できると
どれほど楽に声が出せるか、という事。
身体のどこにも本当は力なんて入れなくていい
どこかで「支えて」などという言葉は必要ないという事。
こういった事を理解できると
声というものはこんなにも簡単に出る!
声を出すという事はこんなにも快楽の1種である。
イタリア人が伝統的にやって来た「ベルカント唱法」というものの原理。
その流れを何となく身体が実感している間に
もう一度お持ち頂いた曲を歌って頂きます。
最初に歌った時とは明らかに声の出し方が変わります。
「声ってこんなに楽に出していいんでしょうか?」
「高音ってこんなにあっけらかんと出るんですね」
「歌うってこんなに気持ちのいい行為なんですね」
そういったご感想をよく頂きます。
発声の体験をして頂いて、その後はレッスンのシステムについて
説明をさせて頂きます。
レッスンの予約の取り方や使用するテキストや練習曲についてとお月謝
毎年9月から行っているワークショップ「声づくり講座」と発表会についてなど
レッスンの進め方について説明をいたします。
ここまでで体験レッスンは終了となります。
ここまでで自分の声の変化を予感され、入会を決めて頂いた方は
早速次回のレッスンの予約を入れていかれます。
やりたい事がすでにこの時点で見えて来られるようで
語られる目がどなたもキラキラしているのが
いつも印象的です。
という事で、最近ご質問の多かった「体験レッスン」について
大まかな流れを説明させて頂きました。
新たに「うた」を始めてみたいと思われている方
「声楽」のレベルアップを考えていらっしゃる方
各種受験、オーディションを考えていらっしゃる方
皆様のご参考になればと思います。
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